FNNプライムオンライン 国会で4日、103万円の壁の見直しとして、所得税の非課税枠を最大160万円まで引き上げる改正案が可決された。年収200万円以下の人は恒久的に控除が拡大され、200万円超からは2年間限定で段階的に手取り増となる。一方、制限なしに178万円への引き上げを主張した国民民主は合意に至らず、今後も政策論争が続く見通しだ。 【画像】“手取り増”の効果は?国民民主党案と与党案を比較 所得税法改正案が自公、維新などの賛成多数で可決 4日午後、「103万円の壁」を見直し、所得税の課税最低限を年収によって、最大160万円に引き上げる所得税法改正案が衆議院の本会議で、自民・公明、日本維新の会などの賛成多数で可決・通過した。 「年収の壁」引き上げ協議は、自民・公明と国民民主の3党で協議が行われてきたが、国民民主は、新たに所得制限が設けられる与党案に反対しており、協議は決裂した。 こうした中、日本維新の会は、「年収の壁」引き上げ協議には加わっていなかったため、当初法案への賛否を留保したが、最終的に賛成を表明して、所得税法改正案は賛成多数で衆院を通過した。 所得税法改正案は、年収200万円以下の人は、恒久的に所得税の非課税枠が160万円まで引き上げられる。一方で、年収200万円から850万円の人については、所得により3段階で基礎控除を30万円から5万円上乗せする。 また、上乗せは「2年限定」となり、与党は、物価上昇に賃金上昇が追いつくまでの時限措置として「2年限定」の制度設計とし、さらに延長する場合には、別途、安定的な財源が必要だとしている。 国民民主党は、引き続き178万円までの壁の引き上げを求めていて、国民民主案では、年収制限はなく、年収によって8.6万円〜33万円程度“手取りが増える”と試算している。与党案では、1万円から3万円強の“手取り増”にとどまるとされる。 引き上げ額の上乗せは「2年間限定」 宮司愛海キャスター: 4日、与党案の「年収に応じて非課税の枠を最大160万円まで引き上げ」という法案が、衆議院本会議で通過しました。 青井実キャスター: 与党と国民民主は合意に至らず、国民民主不在のなかで「年収の壁」の引き上げが決まった形ですが、この決着はどう考えますか? SPキャスター・山口真由さん: 国民民主は、次の参議院選挙を見据え始めた感じですね。反対で進めたほうが有利か否かみたいな。 青井キャスター: 基礎控除と言われる非課税枠は、政府与党が年末に10万円引き上げる案を出しました。これに国民民主党はNO!としたので、年収200万円以下の人には基礎控除を37万円、475万円以下の人には30万円、665万円以下の人には10万円、850万円以下の人には5万円上乗せした形です。 年収が低い人ほど控除額は大きくなります。それぞれ上乗せする額が設定されたのですが、年収200万円〜850万円の人の基礎控除の引き上げ額の上乗せは「2年間限定」という事です。 宮司キャスター: 2年間限定の理由について、与党は「賃金の上昇が物価の上昇に追いつくまでの措置、とりあえず2年、追いついたら無くなる。財源のメドがつく2年間限定として、さらに継続が要る場合は、恒久財源を改めて探す」と説明しています。 青井キャスター: では、与党案が成立して壁が引き上げられたら、手取りはどうなるのかについて、第一生命経済研究所の試算です。 宮司キャスター: 年収別で国民民主党案と与党案を比較していきます。配偶者年収300万円以下で、国民案だと年間約11万増えますが、与党案だと年間2万円増にとどまり、5倍〜10倍の差が出ていますね。 また、年収500万円以下の場合、国民案だと11万3000円、与党案だと1万円。年収800万円以下の場合、国民案だと22万7000円、与党案だと3万1000円。年収1000万円以下の場合、国民案だと22万8000円、与党案だと2万円。年収1500万円以下の場合、国民案だと32万8000円、与党案だと3万4000円となっています。 (配偶者控除あり、夫+専業主婦+中学生以下の子どもの場合) 青井キャスター: 何カ月も議論してきて、国民民主案の方が良いと思ってしまいますが、財源をどうするのかというのを話し合ってきた中で与党案に決まったということですね。 (责任编辑:) |